神奈川県内の精神科病院、身体拘束率が全国平均を上回る
2024年1月22日
・ 神奈川精神医療人権センターは最近、県内の精神科病院に入院する患者のうち、身体拘束された患者の割合が8・1%で、全国平均の4・2%を大きく上回っていることを報告した。
・ 精神科の入院患者に占める医療保護入院患者の割合は68・4%で、全国平均の50・4%を上回っている。これらのデータは、厚生労働省が毎年6月30日時点のデータを病院から収集する「630調査」の2022年分を、同センターが神奈川県に情報開示請求してまとめたものである。
・ 情報開示を拒む自治体もある中、今回の冊子は手に入りにくい情報を表に出した形であり、医療保護入院が入院患者の3分の2を超えていることに対しては、「もはや医療という名に値しないのではないか」という批判も表明された。冊子には病院別の身体拘束率を比較できる一覧表も含まれている。
・ 今回の冊子は、県内の精神科病院(70カ所)の情報をまとめたものであり、22年夏に続く2回目の発行となる。1冊目は国会の審議でも取り上げられ、大きな反響があった。
・ 冊子は、県内の診療所(369カ所)と訪問看護ステーション(563カ所)における精神医療分野の専門スタッフの配置数や診療実績なども一覧できるようになっている。
・ 同センターによれば、「630調査」の回答率は、精神科病院はほぼ100%であるのに対し、診療所と訪問看護ステーションは50%超にとどまる。
・ 同センターは20年5月に発足した任意団体で、23年9月までに入院患者やその家族からの相談を延べ576件受けてきたが、精神科の医療機関をめぐる情報を求める問い合わせが多いと報告している。冊子は1冊500円で頒布しており、問い合わせはNPO法人さざなみ会内の同センター事務局(電話045・353・5711)まで。
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