三重鳥羽市、医療MaaS診療車を活用した実証調査を実施
2024年1月21日
・ 三重鳥羽市は、へき地の医療提供体制を強化するため、石鏡町と浦村町を合わせた鏡浦地区で医療MaaS（マース）診療車を活用した実証調査を行っている。調査では、看護師が患者の自宅近くに出向き、オンラインで診療所の医師とつないで遠隔で診療し、必要に応じて患者を診療所に移送する。
・ 鏡浦地区には市立鏡浦診療所とその分室があり、日替わりで開設されているが、医師が移動するために診療時間が短くなっているとの課題があった。このため、広範囲をカバーし、各地区の診療機会を増やすために、ソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資会社「モネ・テクノロジーズ」と連携して実証調査を行っている。
・ 実証調査は3月末までの予定で、期間中に課題を洗い出し、本格導入を目指す。調査では神島診療所の小泉圭吾医師がオンライン診療を実施しており、診療車が出向きながら診療を行っている。
・ 調査に参加した宮本理さん（74）は、看護師が診療車で血圧や体温、酸素飽和度を測定し、その情報を診療所の医師と共有してオンライン診療を受けた。宮本さんは「診療所で先生と話しているようで違和感はなく、便利だと思った」と述べ、小泉医師も「マースの有用性を皆さんに理解してもらえれば診療へのアクセスがよくなる。診療所に行きたくても行けない人が多いという課題を解消できれば」と話している。
・ 市健康福祉課の中村孝之係長は「診療所に行けない人に使ってもらい、地域に根ざした医療につなげていきたい」と期待を寄せている。
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