2023年7月24日
・岡山大医歯薬学総合研究科
・ノンアルコールビールを口にしたマウスは肺がんの発症を抑えられるという研究成果
・医歯薬学総合研究科大学院生の高田潤さん(44)らの研究グループが明らかにした。
・人間への応用が進めば、新たながん予防法の開発につながると期待される。
・実験で、ノンアルコールビールを混ぜた餌を食べさせたマウス15匹に発がん物質を注射し、約150日後に解剖して肺の組織を調べた。
・水を混ぜた餌を食べさせた場合と比べ、腫瘍の数が平均して5~7割程度少なかった。腫瘍が全くないマウスもいた一方で、水の場合は全ての個体に複数の腫瘍があった。
・詳しく調べると、ノンアルコールビールに、発がん物質で損傷したDNAの修復を促す効果が見つかった。
・DNAの損傷による細胞の突然変異を防ぐことで、がん発生を抑えていると結論付けた。
・ノンアルコールビールに含まれる何らかの物質が、がんの抑制に影響しているとみられ、今後研究を進める。
・ビールでも一定の抑制効果が確認されたが、アルコールの多量摂取がかえって健康被害を引き起こす恐れがあるという。
・健康志向の高まりを背景にノンアルコールビールの消費量は増加傾向にあり、高田さんは「身近な飲料ががん抑制に役立てばいいのに、と思って研究を続けてきた。予防法解明の一歩になればうれしい」と話す。研究成果は6月、日本環境変異原ゲノム学会の学会誌に掲載された。
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