沖縄で広がる「抵抗性アタマジラミ」—新たな治療薬の治験が進行中
- 2025.02.26(水)
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・沖縄県で、市販薬が効かない「抵抗性アタマジラミ」の感染が拡大している。科研製薬(東京)と琉球大学は、このシラミに対応できる新しい処方薬の治験を進めている。
・沖縄の抵抗性アタマジラミ検出率は約96%と全国で最も高い。他県では10%未満にとどまるが、沖縄では2000年ごろから市販薬が効かない個体が広がり始めたとされる。欧米では1990年代から確認され、日本では沖縄が最も早く影響を受けた可能性が高い。
・アタマジラミは髪の毛に寄生し、卵を産みながら増殖する。人から人へ感染し、強いかゆみを引き起こす。特に耳の後ろや後頭部に白い楕円形の卵が付着し、ふけとは異なり簡単に取れない。感染が進むと、不眠や掻き傷による細菌感染などの二次被害も発生する。
・治験では、医師がシラミの卵の確認や血液検査を実施する。約2カ月間で5~6回の通院が必要で、1回の来院ごとに1万~1万5000円の負担軽減費が支払われる。
・治験が成功し、処方薬が普及すれば、中学生以下の子どもは実質無料で治療を受けられるようになる。専門家は「市販薬が高額で手が出せない家庭もあり、新たな治療法の確立が必要」として、治験への協力を呼びかけている。
・治験に関する問い合わせは、専用コールセンター(0120-907-902)またはウェブサイト(https://www.searchmytrial.com/lp/headlice/?sid=2928)から受け付けている。