歯科衛生士の歯が浮く話(歯科衛生士関連コラム)

歯科医師引退後の資産運用成功物語

引退後も安定した生活を実現するためには、資産運用が欠かせません。特に、長年にわたり専門職として活躍してきた歯科医師にとって、賢い資産運用は今後の生活の質を大きく左右します。今回は、68歳で東京都にある歯科医院の経営を引退されたAさんの資産運用についてご紹介します。

引退後の不安と資産運用の始まり

Aさんは、25年間経営してきた歯科医院を2022年に引退しました。引退後の生活への不安から、遺産相続で手に入れた商業ビルを活用することを考え始めました。親族が運営する会計事務所の助けを借りて、法人としてビルの運用を開始したことがきっかけで、より積極的な資産運用に興味を持つようになりました。

仮想通貨投資の成功

Aさんは、仮想通貨に対して懐疑的でしたが、少しずつ投資を始めることでその価値が急上昇し、投資資金がわずか3ヶ月で約3.5倍に増えました。この成功体験から、仮想通貨投資に対する理解が深まり、リスクを管理しながら投資を進める方法に興味を持ち始めました。現在は、ドルベースで取引される仮想通貨を中心に、年間20%のリターンを目指しています。

資産運用のスタンスの変化

Aさんは、資産運用に対する見方が変わり、リスクを恐れずに適切なリスク管理を行いながら積極的に投資の機会を探求することの大切さを実感しています。専門家のアドバイスを積極的に求めることで、不安が解消され、安定した収入を確保できるようになりました。

他の歯科医師へのアドバイス

Aさんは、老後の不安を抱えている歯科医師の方々に対して、まず行動を起こすことを勧めています。不安を感じるだけでは何も変わらないため、資産運用の学習に時間を充て、専門家のアドバイスを積極的に求めることが重要です。適切なリスク管理を行いながら、資産運用にチャレンジすることで、老後の不安を少しずつ解消していくことができるでしょう。

投機ではなく投資をするためにプロに相談を

Aさんの経験から、老後の資産運用における不安を解消するためには、行動を起こすことの重要性と、専門家のアドバイスを積極的に求めることの大切さが浮かび上がります。仮想通貨や株式投資などは投機的な側面が目立つこともありますが、適切な資産ポートフォリオを組んだ上でプロの相談を元に進めることで、適切な投資手段になり得ます。情報収集をしているけど知識だけが溜まって行動に移せないという方も、まずはどんな相談がプロにできるのかを知るところから始めてみませんか?

Aさんの成功体験を参考に、老後の資産運用にチャレンジを考えてみるのも一つですね。

まとめ

引退後の生活を安定させるためには、資産運用が重要です。特に、長年専門職として活躍してきた歯科医師にとって、賢い資産運用は生活の質を大きく左右します。68歳で歯科医院を引退したAさんは、遺産相続をきっかけに不動産投資を始め、商業ビルの運用や仮想通貨投資で成功を収めました。

Aさんの経験から学べることは、リスクを恐れずに適切なリスク管理を行いながら、専門家のアドバイスを積極的に求めることの重要性です。資産運用に対する見方を変え、行動を起こすことで、老後の不安を解消し、安定した収入を確保することができます。

他の歯科医師の方々も、まずは行動を起こし、専門家のサポートを受けながら資産運用にチャレンジしてみましょう。適切な資産ポートフォリオを組み、プロのアドバイスを元に進めることで、老後の生活をより安心して過ごせるようになります。

口腔外バキュームの効果的な使い方と最新設備の導入方法

院内感染対策の一環として重要な「口腔外バキューム」についてお話しします。厚生労働省が推奨するこの設備、皆さんの医院ではしっかり活用できていますか?

口腔外バキュームの重要性

口腔外バキュームは、治療中に発生する微細な水や唾液、切削粉塵、においなどを吸引する装置です。特にエアロゾルには患者の血液や微生物、病原菌が含まれており、院内感染のリスクを高めます。厚生労働省の調査によると、口腔外バキュームを使用することで、細菌の検出が約9割減少するとのことです。

移動型バキュームのリスク

移動型バキュームは導入コストが低く、フレキシブルに使用できるため、多くの医院で採用されています。しかし、吸引力が弱く、排気が室内で行われるため、完全な感染対策には不十分です。また、騒音や位置決めの難しさなどの問題もあります。

セントラル型バキュームの利点

セントラル型バキュームは、強力な吸引力を持ち、排気を室外に行うことで、より高い感染対策効果が期待できます。導入には大規模な工事が必要ですが、その分の効果は絶大です。診療室内の静音化も可能で、患者さんやスタッフにとって快適な環境を提供できます。

最新の口腔外バキュームはどんなものがある?

最新の口腔外バキュームには、いくつか注目すべき製品があります。以下にいくつかの例を紹介します。

1. フリーアーム・アルテオ

フリーアーム・アルテオは、株式会社東京技研が提供する口腔外バキュームです。特徴として、センサースイッチでお好みの位置にセット可能で、4灯のLEDライトが照度10,000ルクスを提供します。また、サイレントフィルタで高周波領域の騒音を低減し、フードの脱着がワンタッチで行える設計になっています。

2. DenThoreの口腔外バキューム

DenThoreの口腔外バキュームは、強力な吸引力でエアロゾルや粉塵を除去し、院内感染のリスクを軽減します。この製品は、各診療台に一つずつ設置し、患者さんの口の近くに吸引口を置くことで、治療中に発生する小さな飛散物を瞬時に吸い込みます。

3. その他の製品

他にも多くのメーカーが高性能な口腔外バキュームを提供しています。例えば、吸引力が強く、静音設計で診療室内の快適さを保つ製品や、フィルターシステムが充実している製品などがあります。

これらの最新設備を導入することで、院内の感染対策を強化し、患者さんやスタッフの安全を守ることができます。どの製品が最適かは、医院の規模や予算、設置環境に応じて選ぶと良いでしょう。

口腔外バキュームの価格

口腔外バキュームの価格は、製品の種類や機能によって大きく異なります。以下にいくつかの例を挙げます。

移動型バキューム

  • GREELOY GS-E1000: 約133,804円
  • Ruiwan RD50: 約133,238円
  • Dynamic DS1000: 約213,703円

セントラル型バキューム

セントラル型は、導入コストが高くなる傾向があります。具体的な価格は製品や設置環境によりますが、一般的には数十万円から数百万円程度です。

その他の選択肢

  • クリンテクトCT-1: 約162,800円
  • ペンギンワックス WetVacF-30Li: 約169,510円

これらの価格は参考値であり、実際の購入時にはさらに詳細な見積もりが必要です。医院の規模や予算に応じて最適な製品を選ぶと良いでしょう。

口腔外バキュームを選ぶ際のポイント

口腔外バキュームを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。以下にそのポイントをまとめました。

1. 吸引力

吸引力は最も重要な要素の一つです。強力な吸引力があれば、エアロゾルや微細な粉塵を効果的に除去できます。特にセントラル型バキュームは、強力な吸引力を持つため、院内感染対策に非常に有効です。

2. 静音性

静音性も重要です。診療室内での騒音は、患者さんやスタッフにとってストレスとなることがあります。静音設計のバキュームを選ぶことで、快適な診療環境を提供できます。

3. フィルターシステム

フィルターシステムの性能も確認しましょう。高性能なフィルターが搭載されているバキュームは、微細な汚染物質を効果的に除去し、再拡散を防ぎます。

4. 設置場所と移動性

設置場所と移動性も考慮する必要があります。セントラル型は固定設置が必要ですが、移動型はフレキシブルに使用できます。ただし、移動型は吸引力や排気方法に制約があるため、使用環境に応じて選ぶと良いでしょう。

5. コスト

コストも大きな要因です。セントラル型は導入コストが高いですが、長期的な効果を考えると投資価値があります。移動型は初期費用が低く、導入しやすいですが、性能面での妥協が必要です。

6. メンテナンスのしやすさ

メンテナンスのしやすさも重要です。定期的なメンテナンスが必要なため、簡単にフィルター交換や清掃ができる製品を選ぶと良いでしょう。

これらのポイントを考慮して、医院のニーズに最適な口腔外バキュームを選ぶことが大切です。何か他に知りたいことがあれば、教えてくださいね!

まとめ

口腔外バキュームは、院内感染対策において非常に重要な役割を果たします。移動型とセントラル型の違いを理解し、最適な設備を導入することで、患者さんとスタッフの安全を守りましょう。サブスクリプションサービスを活用して、最新の設備をお得に導入するのも一つの方法です。

皆さんの医院が、より清潔で安全な環境を提供できることを願っています。

新保険適応の白い被せ物「PEEK冠」

PEEK冠とは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を主成分として作られた歯冠(クラウン)のことを指します。PEEKは高性能の工業用プラスチックで、曲げ弾性率が低く、力が加わった際にたわみやすく割れにくい特徴を持っています。この材料は金属アレルギーの患者にも適しており、従来のCAD/CAMよりも割れにくいとされています。

他の材料と比較して

PEEK冠は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を主成分として作られた歯冠(クラウン)のことを指します。PEEKは高強度のプラスチックで、航空機や自動車の部品にも使用されています。

PEEK冠と他の材料を比較すると、以下の点が異なります:

  1. セラミックとの比較:
    • PEEK冠: PEEKはアイボリー色で一様な色調を持ち、光沢や透明感は乏しいです。割れにくく、金属アレルギーの患者にも適しています。
    • セラミック: セラミックは天然歯の色調・光沢・透明感・質感を忠実に再現できる材料です。見た目に大きな違いがあります。
  2. 弾性係数の違い:
    • PEEK冠は弾性係数が支台歯の弾性係数の1/3程度と小さく、フレームワークが緩衝材となり衝撃を吸収することで、支台歯へ伝達される衝撃が軽減されます。
  3. 長期臨床成績:
    • PEEK冠の長期臨床成績はまだ確立されていません。

PEEK冠のメリット・デメリット

メリット:

  • 金属と同じくらい薄くてもOKなので、歯を削る量が少ない
  • 金属アレルギーの患者に使える(メタルフリー)
  • 従来のCAD/CAMより割れにくい

デメリット:

  • 透明感がなく白すぎて見た目が悪い
  • 長期の臨床成績がまだ確立されていない

PEEK冠を使用する際に注意すべきこと

  1. 適合性の確保: PEEK冠の装着には接着性レジンセメントが使用されます。口腔内での適合を確保するためにアルミナサンドブラスト処理が行われます。
  2. 経年的な変化: PEEKはあくまでプラスチックなので、経年的な摩耗や変色が起こりやすいです。噛み合わせの変化にも注意が必要です。
  3. 見た目: PEEK冠は透明感がなく白すぎて見た目が悪いと感じることがあるかもしれません。

まとめ

総じて、PEEK冠は割れにくく、金属アレルギーの患者に適していますが、実際につけてみた患者さんからは、PEEK冠は銀歯より目立つとの意見もあります。柔軟性があり強靭で割れにくいことが納得できる点ではありますふが、長期的な接着については今後の研究が必要です。歯科では予防が最も重要であり、適切なフッ素使用と定期的な歯科チェックが大切です。PEEK冠は、一つの選択肢として覚えておくと良いでしょう。

歯科受診が透析患者の予後を改善-心血管疾患と感染症が減少

透析患者の予後を改善するために、予防歯科受診が重要であることが示されました。東京医科歯科大学の研究によれば、歯科治療を受けることで心血管疾患と感染症のリスクが低減することが分かりました。具体的には、予防歯科群は未受診群に比べて心血管疾患と感染症の発症リスクが有意に低かったと報告されています。肺炎のリスクも、歯科治療群と予防歯科群の両方で低いことが示されています。

ただし、詳細なメカニズムについてはまだ解明されていない部分もあります。血液検査や細菌学的検査の結果を含め、さらなる研究が必要です。透析患者は口腔内環境が悪化しやすいため、医療従事者は口腔ケアと適切な歯科受診を促すことが重要です 。

どのように行われた研究か

この研究は、東京医科歯科大学の研究者が透析患者の歯科治療に焦点を当てて行われました。具体的には、1万873例の透析患者を歯科治療群、予防歯科群、未受診群に分け、心血管疾患と感染症の発生率を比較しました。その結果、予防歯科群は未受診群に比べて心血管疾患と感染症のリスクが低かったことが示されました。ただし、詳細なメカニズムについてはさらなる研究が必要です。

他の研究と比較して

この研究は、予防歯科受診が透析患者の生命予後に対して有益であることを示しています。具体的には、心血管疾患と感染症のリスクが低減することが報告されています。他の研究と比較する際には、さらなる詳細な情報が必要ですが、適切な歯科受診が透析患者の健康に対して重要であることが示唆されています。透析患者は口腔内環境が悪化しやすいため、医療従事者は口腔ケアと歯科受診を促すことが必要です。

他の疾患でも同様の効果がある可能性

予防歯科受診が他の疾患にも同様の効果を持つ可能性があります。口腔の健康は全身の健康に密接に関連しており、歯科治療や予防歯科の重要性は広く認識されています。例えば、糖尿病患者においても歯周病の適切な管理が血糖コントロールに寄与することが報告されています。さらなる研究が必要ですが、適切な歯科受診は様々な疾患の予防と管理に役立つ可能性があります。

まとめ

透析患者の予後を改善するために、予防歯科受診が重要であることが示されました。東京医科歯科大学の研究によれば、歯科治療を受けることで心血管疾患と感染症のリスクが低減することが分かりました。具体的には、予防歯科群は未受診群に比べて心血管疾患と感染症の発症リスクが有意に低かったと報告されています。肺炎のリスクも、歯科治療群と予防歯科群の両方で低いことが示されています。

ただし、詳細なメカニズムについてはまだ解明されていない部分もあります。血液検査や細菌学的検査の結果を含め、さらなる研究が必要です。透析患者は口腔内環境が悪化しやすいため、医療従事者は口腔ケアと適切な歯科受診を促すことが重要です。

歯ぐきが盛り上がる-歯肉増殖症とは

歯肉増殖症とは?

歯肉増殖症は、歯ぐきの組織が過剰に増大する病気です。通常、歯肉は歯を守るバリアとして重要な役割を果たしていますが、増殖してしまうと見た目や口腔内の健康に影響を及ぼすことがあります。

歯肉増殖症の原因

歯肉増殖症はいくつかの原因によって引き起こされます。

  1. 単純性歯肉増殖症:
    • 歯肉の組織の増殖と血管の反応性の変化が合併して起こります。
    • 口呼吸をよくする人が炎症性の反応を起こして、この状態になることがあります。
  2. 歯肉繊維腫症:
    • 歯肉全体に起こる歯肉の肥大で、炎症とは関係なく発生します。
    • 原因は不明で、乳幼児期など歯の生え始め、生え替わりの時期から発症する、非常に稀な病気です。
  3. 薬剤性歯肉増殖症:
    • いくつかの種類の薬剤を服用している人に見られることがあります。
    • 抗てんかん薬のフェニトイン、免疫抑制剤のシクロスポリン、カルシウム拮抗薬のニフェジピンなどが知られています。

薬剤性歯肉増殖症を引き起こす薬剤について詳しく

薬剤性歯肉増殖症は、薬の副作用で歯肉が増殖する(歯ぐきが腫れる)病気のことです。原因となる薬物には次のものがあります。

フェニトイン
フェニトイン
  1. フェニトイン: 抗てんかん薬で、長期服用すると約半数の人が歯肉増殖症を発症することがあります。
ニフェジピン
ニフェジピン
  1. ニフェジピン: 高血圧症に用いられるカルシウム拮抗剤です。
シクロスポリン
シクロスポリン
  1. シクロスポリン: 免疫抑制剤として使われ、臓器移植後の患者にも投与されます。

これらの薬物を服用している方は、歯肉増殖症に注意が必要です。

歯肉増殖症の治療法

歯肉増殖症の治療法にはいくつかの方法があります。以下にいくつかの一般的な治療法を示します。

  1. プラークコントロール: 歯肉増殖症の主な原因は歯周病菌による炎症です。プラーク(歯垢)を適切に除去することが重要です。歯磨き、フロス、マウスウォッシュを定期的に行いましょう。
  2. スケーリングとルートプレーニング: 歯科医師または歯科衛生士による専門的なクリーニングです。歯石やプラークを除去し、歯肉の健康を改善します。
  3. 歯肉切除術: 歯肉増殖が進行している場合、歯肉の一部を切除する手術が必要です。これにより本来の歯肉の形状を取り戻します。
  4. 薬物療法: 歯肉増殖症の原因となる薬剤を服用している場合、薬の見直しや変更が必要です。歯科医師と相談してください。

まとめ

歯肉増殖症について詳しく説明しました。治療法にはプラークコントロール、スケーリングとルートプレーニング、歯肉切除術、薬物療法があります。個々の症例により異なるため、歯科医師と相談して適切な治療法を選択しましょう。

口腔機能低下症とは

口腔機能低下症とは?

口腔機能低下症は、加齢や疾患など複合的な要因によって口腔内の「感覚」「咀嚼」「嚥下」「唾液分泌」などの機能が少しずつ低下してくる症状です。具体的には、次のような特徴があります。

  1. 咀嚼機能の低下
    • 歯の減少や義歯の不具合により、食べ物を十分に噛むことが難しくなります。
    • 咀嚼が不十分なため、栄養摂取に影響を及ぼすことがあります。
  2. 嚥下機能の低下
    • 食物を飲み込む際の筋力や協調性が減少します。
    • 嚥下障害が進行すると、誤嚥(食物や唾液が気道に入ること)のリスクが高まります。
  3. 唾液分泌の減少
    • 唾液は口腔内の健康に重要です。減少すると口の乾燥や感染リスクが増加します。

口腔機能低下の主な原因

口腔機能低下症の主な原因は以下のようなものがあります。

  1. 加齢による生理的変化: 年齢を重ねると、噛む力や舌の運動能力が低下し、咀嚼や飲み込みが難しくなります。
  2. 歯の喪失や合わない入れ歯の問題: 歯の喪失や入れ歯の適合不良が口腔機能低下を引き起こすことがあります。
  3. 口腔内の筋力低下: 舌や口唇の筋力が弱まることで、食事や発声に支障をきたすことがあります。
  4. 唾液分泌の減少: 唾液が不足すると、食事の嚥下や口内の清掃が困難になります。
  5. 全身疾患(糖尿病、脳卒中後遺症など): 全身の健康状態が口腔機能に影響を与えることがあります。
  6. 薬の副作用: 一部の薬剤は唾液分泌を減少させ、口腔機能低下を引き起こす可能性があります。
  7. 不適切な食生活や口腔ケア: 正しい歯磨きや食事の摂取が怠られると口腔機能が低下します。 口腔機能低下症は、単に口腔内の問題だけでなく、全身の健康にも大きな影響を及ぼす重要な課題です。

口腔機能低下症を予防するために

口腔機能低下を予防するためには、以下の方法が効果的です。

  1. 適切な歯磨き:
    • 1日3回、食後に歯磨きを行いましょう。
    • フッ素入り歯磨き粉を使用することで、歯の健康をサポートします。
    • 電動歯ブラシの使用も効果的です。
  2. 定期的な歯科健診:
    • 最低でも年に1~2回は歯科医院を受診しましょう。
    • 早期虫歯や歯周病の発見・治療に役立ちます。
  3. 口腔体操の実施:
    • 舌や唇の筋力をアップするために、口腔体操を行いましょう。
    • 例えば、「あいうべ体操」などがあります。
  4. バランスの良い食事:
    • 様々な食品をバランスよく摂取しましょう。
    • 硬いものや繊維質の多い食品も積極的に取り入れることが大切です。
  5. 十分な水分摂取:
    • 1日に1.5~2リットルの水分を摂取し、口腔内を潤しましょう。
  6. 禁煙:
    • 喫煙は口腔内環境を悪化させるため、禁煙を心がけましょう。
  7. ストレス管理:
    • 過度のストレスは唾液分泌に影響を与えるため、適切なストレス管理を行いましょう。

口腔機能低下症の重要性

「口腔機能低下」を早期に自覚することで、生涯にわたり、食べることを楽しみ、会話に花を咲かせ、笑顔が続く健康長寿を支えます。地域のかかりつけ歯科医師として、患者さんの「口腔機能低下症」を診断しましょう。

まとめ

口腔機能低下症は、加齢や疾患などによって口腔機能が低下した状態を指します。具体的には、咀嚼、嚥下、発声、唾液分泌などの機能が複合的に低下することで、食事や会話に支障をきたす症状です。予防法として、適切な歯磨き、定期的な歯科健診、口腔体操、バランスの良い食事、十分な水分摂取、禁煙、ストレス管理が効果的です。

口腔カンジダ症を知っていますか?

口腔カンジダ症とは?

口腔カンジダ症は、真菌の一種であるカンジダ菌による口腔内疾患のひとつです。主に口の中の粘膜や舌に白い斑点や炎症が現れます。カンジダ菌は通常、健康な人々の口腔内にも存在していますが、免疫力の低下や特定の状況で増加することで症状が現れることがあります。

口腔カンジダ症の症状

口腔カンジダ症は以下のような症状を示すことがあります:

  • 偽膜性カンジダ症:口腔内の粘膜に白い苔状のものが付着します。ガーゼやブラシで取り除けますが、はがれた後は赤くなります。軽症の場合はヒリヒリとした痛みを伴います。
  • 萎縮性カンジダ症:舌や口腔内の粘膜が赤く腫れ、ヒリヒリとした痛みを伴います。食事中にも痛みを感じることがあります。

口腔カンジダ症の原因

カンジダ菌の制御されていない増加が口腔カンジダ症を引き起こします。免疫力の低下、副腎皮質ステロイド薬の使用、がん治療、糖尿病、加齢などが原因となります。また、唾液量の低下や義歯の不具合も関連しています。

口腔カンジダ症の予防と治療

予防と治療には以下のポイントがあります:

  • 抗真菌薬の使用:治療には抗真菌薬のうがいが一般的です。軽症の場合は治療後の経過は良好ですが、重症化する場合は専門医の指導を受けましょう。

口腔カンジダ症の口腔ケアにはいくつかのポイントがあります。以下に、口腔カンジダ症の予防と治療に役立つケア方法をご紹介します。

  1. 口内を清潔に保つ
    • 歯磨きを毎食後に行い、口の中を清潔に保ちましょう。
    • 歯ブラシや舌ブラシを使って舌の表面もきれいにしましょう。
  2. 保湿をしっかり行う
    • 口の中が乾燥しないように、水分を摂りながら保湿を心掛けましょう。
    • 唾液の分泌を促すために、無糖のガムやキャンディを噛むことも有効です。
  3. 義歯の手入れ
    • 義歯をきちんとフィットさせ、清潔に保ちましょう。義歯の下にカンジダ菌が繁殖しやすいため注意が必要です。
  4. 免疫力を高める
    • 健康的な生活習慣を実践し、免疫力を維持しましょう。
    • 疲れをためないように十分な睡眠を取り、ストレスを軽減しましょう。

まとめ

口腔カンジダ症は、真菌の一種であるカンジダ菌による口腔内疾患です。主に口の中の粘膜や舌に白い斑点や炎症が現れます。症状には偽膜性カンジダ症と萎縮性カンジダ症があります。原因は免疫力の低下や特定の状況で増加することで、唾液量の低下や義歯の不具合も関連しています。治療には抗真菌薬の使用が一般的です。早めの対応が大切ですので、症状がある場合は医療機関を受診することをおすすめします。

増えている口腔がん-早期発見・早期治療が重要

口腔がんとは?

口腔がんは、口の中にできる悪性腫瘍です。具体的には、舌、上下の歯肉(歯ぐき)、頬粘膜(頬の内側)、硬口蓋(口の中の天井部分の硬いところ)、口腔底(舌と下側の歯肉の間)などの部位で発生します。唇にできるがん(口唇がん)もここで併せて説明します。

組織型分類によれば、口腔がんの約90%は粘膜組織から発生する扁平上皮がんです。

口腔がんの症状

口腔がんでは、次のような症状が現れることがあります:

  • 口内炎がなかなか治らない
  • 舌や口の中にしこりができる
  • 歯肉にがんができて歯がぐらつく
  • 粘膜のただれ、痛み、出血
  • 食事や話すのが難しくなる

気になる症状がある場合は、耳鼻咽喉科や歯科口腔外科、頭頸部外科などで早めに受診することが大切です。

口腔がんの治療

口腔がんの治療は、手術、放射線治療、化学療法などが選択肢となります。手術はがんの進行度に応じて行われ、再建手術やリハビリテーションも必要です。早期発見と早期治療が重要です。

口腔がんは罹患率は低いものの、早めの対応が大切です。予防のために禁煙や節酒、口腔の衛生に気を付けましょう。

口腔がんのリスク要因

口腔がんの発症にはいくつかのリスク要因が関与しています。

  1. 喫煙とタバコの使用:喫煙者は非喫煙者に比べて口腔がんのリスクが高いです。タバコに含まれる有害物質が口腔粘膜に影響を及ぼすことが原因です。
  2. アルコール摂取:過度なアルコール摂取は口腔がんのリスクを増加させます。特に喫煙とアルコールの併用はリスクが高まります。
  3. ウイルス感染:ヒトパピローマウイルス(HPV)感染は口腔がんのリスクと関連しています。特に若年層でのHPV感染が増加しています。
  4. 栄養不良:ビタミンやミネラルの不足、野菜や果物の摂取不足は口腔がんのリスクを高めます。

口腔がんの早期発見と予防

  • 定期的な口腔検診:歯科医師による定期的な口腔検診を受けましょう。早期発見で治療の成功率が高まります。
  • 自己検診:口腔内の異常を自己でチェックしましょう。しこり、ただれ、出血などがあれば早めに専門医に相談しましょう。
  • 健康的な生活習慣:禁煙、節酒、バランスの取れた食事、適切な口腔ケアを心掛けましょう。

口腔がんは早期発見と予防が重要です。定期的な歯科受診と健康的な生活習慣を実践して、口腔健康を守りましょう。

口腔がんを予防するために

口腔がんを予防するためには、以下のポイントに注意しましょう。

  1. 禁煙と節酒:タバコを吸わないことと、アルコール摂取を適量に抑えることが大切です。特に喫煙者は口腔がんのリスクが高まります。
  2. 口腔内のメンテナンス:日頃から食後の歯磨きを習慣づけ、口の中を清潔に保ちましょう。歯科の定期検診も受けることをおすすめします。
  3. 適切な歯科治療:歯が欠けたり、詰め物やかぶせもの、入れ歯で違和感がある場合は、歯科を受診して適切な治療を受けましょう。

まとめ

口腔がんは、口の中にできる悪性腫瘍で、舌や歯肉、頬粘膜、硬口蓋、口腔底などの部位で発生します。症状には口内炎、しこり、歯肉の変化、粘膜の異常などが含まれます。早期発見と適切な治療が重要です。

大規模災害時における歯科の対応

災害時における歯科医療の役割は、被災者の口腔健康を保護し、避難所や避難生活での口腔衛生をサポートすることです。大規模災害が発生した際、歯科医療機関は次のような活動を行います。

応急歯科診療活動

  • 緊急歯科治療:通常の歯科医療体制が回復するまでの間、被災地で緊急歯科治療を提供します。急患の対応や痛みの緩和、抜歯などを行います。
  • 要配慮者への支援:避難生活が困難な高齢者や障害者など、特別な配慮が必要な人々に対して、口腔衛生管理や口腔機能のサポートを行います。

避難所での口腔ケア

  • 口腔衛生啓発:避難所で被災者に対して口腔ケアの重要性を伝え、歯磨きやうがいの指導を行います。歯ブラシや歯磨き粉、うがい液を提供し、清潔な口腔環境を維持します。

遺体安置所での歯科支援

  • 歯科所見採取:感染防護対策を講じながら、遺体の歯科所見を採取し、身元確認作業をサポートします。

災害時において、歯科医療機関は被災者の健康を守るために欠かせない存在です。 

災害時の口腔ケアについて

災害時の口腔ケアは、被災者の健康を守るために重要です。特に避難生活では不規則な生活やストレスが増加し、口腔衛生状態が低下することがあります。以下に、災害時の口腔ケアについて詳しく説明します。

  1. 防災グッズに口腔ケアアイテムを準備
    • 非常用持ち出し袋に、家族分の非常用の歯ブラシ、液体ハミガキ、口腔用ウェットティッシュなどを入れておきましょう。
    • 発災後の非常時に十分な口腔ケアを行うことは、困難になることが想定されるため、事前の準備が大切です。
  2. 水不足に対する対策
    • 災害時は水が不足することがあります。なるべく水を使わない方法で口腔ケアを行いましょう。
    • 口腔内の清潔を保つために、歯磨きやうがいを継続しましょう。

災害時においても、口腔ケアは健康を守るために欠かせない要素です。

歯科保健医療の対策と取り組み

災害時における歯科保健医療の対策について、日本ではいくつかの取り組みが行われています。以下はその一部です。

  1. JDAT(日本災害歯科支援チーム)
    • JDATは、災害発生後おおむね72時間以降に地域歯科保健医療専門職により行われる、緊急災害歯科医療や避難所等における口腔衛生を中心とした公衆衛生活動を支援することを目的として設立されました。被災者の健康を守り、地域歯科医療の復旧を支援しています。
  2. 都道府県歯科医師会の対策:
    • 各都道府県歯科医師会は、災害時に歯科保健ニーズを把握し、歯科健康管理を行う体制を構築しています。被災時には災害歯科対策本部として県内外からの歯科支援をマネジメントし、迅速かつ適切な歯科保健支援を提供しています。
  3. 歯科衛生士の役割:
    • 歯科衛生士も災害時に重要な役割を果たします。日本歯科衛生士会は災害対策本部を設置し、情報収集や厚生労働省および日本歯科医師会との連携を図り、被災地での歯科保健支援を行っています。

まとめ

災害時における歯科医療の役割は、被災者の口腔健康を保護し、避難所や避難生活での口腔衛生をサポートすることです。応急歯科診療活動では緊急歯科治療や要配慮者への支援を行い、避難所での口腔ケアでは口腔衛生啓発を実施します。また、遺体安置所での歯科支援では感染防護対策を講じながら歯科所見採取を行い、身元確認作業をサポートします。災害時において、歯科医療機関は被災者の健康を守るために欠かせない存在です。

「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」-8020運動

8020運動とは?

「8020運動」は、日本で提唱された健康運動の一つです。この運動は、80歳になっても20本以上の自分の歯を保つことを目指すものです。なぜこの数字が重要なのでしょうか?それは、20本以上の歯があれば、食事にほぼ満足できると言われているからです。

目的

この運動の目的は、生涯を通じて自分の歯で楽しく充実した食生活を送ることです。歯は食事を楽しむためだけでなく、発音や顔の表情を作るためにも重要です。また、妊産婦を含めて生まれてから亡くなるまでの全てのライフステージで健康な歯を保つことが大切です。

8020の意味

  • 80:80歳まで
  • 20:20本以上の歯を保つ

8020を目指すために

具体的な方法を以下にまとめてみましょう。

  1. 適切な歯磨き:歯磨きは朝晩の習慣にしましょう。歯ブラシとフロスを使って、歯垢をしっかりと除去しましょう。
  2. 定期的な歯科検診:歯科医師の診察を受け、早期に問題を発見しましょう。
  3. バランスの取れた食事:カルシウムやビタミンを含む食品を摂取し、歯を強く保ちましょう。
  4. 喫煙や飲酒の制限:これらの習慣は歯の健康に悪影響を及ぼすことがあります。

これらの取り組みで、健康な歯を保ち、80歳で20本以上の歯を持つことができます。健やかな老後のために必要なことですね!

8020運動達成のメリット

8020運動を達成すると、以下のようなメリットがあります。

  1. 食事の満足度が高まる:20本以上の歯があれば、硬い食品でも十分に噛むことができます。これにより、食事の味わいや栄養摂取が向上します。
  2. 発音や顔の表情が改善される:歯は発音や顔の表情を作るためにも重要です。健康な歯を保つことで、コミュニケーションが円滑になります。
  3. 自信と生活の質が向上する:自分の歯を保つことは、自信を持つことにつながります。また、歯のトラブルを避けることで、生活の質が向上します。
  4. 4. 歯科治療の負担が軽減される:自分の歯を保つことで、歯科治療の必要性が減ります。これにより、経済的な負担が軽減されます。

8020運動は健康な老後を目指すために大切な取り組みです。 

8020運動を達成できなかった場合でも、適切な対応で口の中の健康を維持することができます。以下に具体的な方法と地域歯科保健活動について詳しく説明します。

8020運動を達成できなかった場合の対応

1. 義歯(入れ歯)の活用

  • 噛み合いを良好に保つ:義歯を適切に装着し、食べ物をしっかり噛むことができるようにしましょう。これにより、全身の栄養状態が良好に保たれます。
  • 脳の活性化:よく噛むことで脳が刺激され、認知症のリスクが軽減される可能性があります。

2. かかりつけの歯科医を訪れる

  • 相談と指導:かかりつけの歯科医は気軽に相談に乗ってくれます。定期的な歯の健診を受け、歯を失う原因となるむし歯や歯周病を早期に発見しましょう。

3. 正しい歯磨きと歯間清掃

  • 歯磨き:歯と歯ぐきの境目など汚れの残りやすい場所を重点的に磨きましょう。歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯間清掃を行います。

地域歯科保健活動

地域の歯科医師会では、8020運動を推進するために以下の活動を行っています:

  • 歯科健診と予防活動:1歳6カ月児・3歳児の歯科健診や保育園、幼稚園、学校での歯科健診を実施しています。
  • 職場や地域での歯科健診:地域の健康促進に貢献しています。
  • 休日救急歯科診療:急な歯のトラブルに対応しています。
  • 心身障がい者歯科保健活動:特別なニーズを持つ方々に対して歯科保健を提供しています。
  • 在宅寝たきり高齢者訪問歯科保健活動:高齢者の自宅を訪問し、歯科保健をサポートしています。

8020運動を達成できなかった場合でも、適切な対応で健康な口腔状態を維持し、健康寿命を延ばすことができます。

まとめ

8020運動は、80歳になっても20本以上の自分の歯を保つことを目指す健康運動です。この数字は、食事にほぼ満足できる歯の本数を示しています。具体的な方法として、適切な歯磨き、定期的な歯科検診、バランスの取れた食事、喫煙や飲酒の制限が挙げられます。8020運動を実践して、健康な歯を保ちましょう!