おしゃぶり、指しゃぶりが咬合(噛み合わせ)に及ぼす影響

日本小児歯科学会は、おしゃぶりの使用についていくつかのガイドラインを提供しています。一般的に、おしゃぶりは2歳頃までに卒業することが推奨されています。これは、2歳以降もおしゃぶりを続けると、かみ合わせや唇の閉じ方、舌の使い方に影響が出やすくなるためです。おしゃぶりをやめさせる方法としては、徐々に使用時間を減らす、特定の時間帯だけ使用するようにする、代わりに他の安心できるアイテムを提供するなどが効果的です。

おしゃぶり、指しゃぶりについて詳しく

おしゃぶりと指しゃぶりは、どちらも赤ちゃんや幼児が安心感を得るために行う行動です。それぞれの特徴と影響について説明します。

おしゃぶりの使用が歯や口の健康に与える影響について、いくつかの注意点があります。

歯並びへの影響: 長期間おしゃぶりを使用すると、出っ歯や開咬(前歯が噛み合わない状態)になるリスクがあります。特に、2歳半以降も使用を続けると、歯並びに悪影響を及ぼす可能性が高まります3
言語発達への影響: おしゃぶりを頻繁に使用していると、言葉を発する機会が減り、言語発達に影響を与えることがあります。
中耳炎のリスク: おしゃぶりの使用により、鼻や喉が陰圧になり、耳管に悪影響を及ぼして中耳炎になりやすくなることがあります。
口腔衛生の問題: おしゃぶりを清潔に保たないと、細菌が繁殖しやすくなり、口腔内の健康に悪影響を及ぼす可能性があります3。定期的に消毒することが重要です。

指しゃぶりは、赤ちゃんや幼児が自分の指を口に入れてしゃぶる行動です。以下の点に注意が必要です。

自然な行動: 生後数ヶ月から始まり、1歳頃には多くの子どもが指しゃぶりをします。これは、口の刺激によって快感や安心感を得るための自然な行動です。
歯並びへの影響: 長期間続けると、前歯のかみ合わせが悪くなったり、出っ歯になるリスクがあります。
心理的要因: 指しゃぶりは、寂しさやストレスを感じたときに行うことが多いです。特に、親との関わりが少ないと感じるときに見られることがあります。

おしゃぶりをやめる際のポイント

おしゃぶりをやめる際には、以下のポイントに注意するとスムーズに進められます。

  1. 徐々に使用頻度を減らす: いきなりやめるのではなく、少しずつ使用時間を短くしていくと、子どももストレスを感じにくくなります。
  2. 代わりの安心アイテムを提供する: お気に入りのぬいぐるみやブランケットなど、他の安心できるアイテムを提供してみてください。
  3. 日中の運動量を増やす: 日中にたくさん遊ばせて疲れさせることで、夜のおしゃぶりの必要性を減らすことができます。
  4. おしゃぶりの先端を切る: おしゃぶりの先端を少し切ることで、吸う感覚が変わり、自然と使わなくなることがあります。
  5. 前もってやめる日を伝える: おしゃぶりをやめる日を前もって伝え、その日を迎えたら一気にやめる方法もあります。

代わりになるアイテム

おしゃぶりの代わりに使えるアイテムはいくつかあります。以下のものを試してみてください。

  1. ガーゼやタオル: 柔らかいガーゼやタオルを赤ちゃんに持たせると、安心感を与えることができます。
  2. 歯固め: 歯が生え始める時期には、歯固めが効果的です。赤ちゃんが口に入れて噛むことで、歯茎のかゆみを和らげることができます。
  3. おしゃぶりタオル: おしゃぶりタオルは、ぬいぐるみとタオルが一体化したもので、赤ちゃんが抱きしめたり噛んだりすることができます。
  4. カムカムベジタブル: 乾燥野菜を使ったおしゃぶり代用品で、赤ちゃんが噛むことで安心感を得られます。

まとめ

おしゃぶりと指しゃぶりは、どちらも赤ちゃんや幼児が安心感を得るための行動です。おしゃぶりは、長期間使用すると歯並びや言語発達に悪影響を及ぼす可能性があり、特に2歳半以降の使用は避けるべきです。また、中耳炎のリスクや口腔衛生の問題もあります。指しゃぶりも同様に、長期間続けると歯並びに影響を与えることがあります。

本小児歯科学会は、おしゃぶりの使用は2歳頃までに卒業することを推奨しており、徐々に使用時間を減らすことや、代わりの安心アイテムを提供することが効果的です。おしゃぶりや指しゃぶりをやめさせる際には、子どものペースに合わせて進めることが大切です。