マイナンバーカードとの一体化で後期高齢者医療制度はどう変わる?保険料の目安も解説

2024年12月2日から、日本の医療制度に大きな変化が訪れます。これまでの健康保険証が廃止され、代わりにマイナンバーカードが健康保険証として機能する「マイナ保険証」が導入されるのです。この新しい制度は、特に後期高齢者医療制度においても影響を与えます。この記事では、制度の概要、自己負担割合の変更点、そして保険料の目安額について詳しく解説します。

後期高齢者医療制度とは?

後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者および一部の65歳以上の方々を対象とした医療保険制度です。保険証は通常、2年ごとに更新されますが、2024年12月の制度変更に伴い、今回は「有効期限1年」の保険証が発行されています。これにより、保険証の更新時期とマイナ保険証への移行がスムーズに行われることが期待されています。

自己負担割合の確認が重要

新しい保険証が届いた際には、必ず自己負担割合を確認することが重要です。後期高齢者医療制度における自己負担割合は、住民税課税所得に応じて1割、2割、3割と異なります。2022年10月からは新たに「2割負担」が追加され、負担が増える可能性があるため、注意が必要です。

たとえば、住民税課税所得が28万円未満の世帯では1割負担ですが、所得が一定以上ある場合は2割、さらに所得が高い場合は3割負担となります。これにより、医療費が倍増または三倍になることもありますので、保険証が届いた際には必ず確認するようにしましょう。

マイナ保険証のメリットとは?

マイナンバーカードと健康保険証の一体化によって、いくつかのメリットが期待されています。

  1. 医療費控除の申告が簡単に:確定申告時に医療費控除の手続きがマイナポータルを通じて簡単に行えるようになります。
  2. より良い医療の提供:医療機関で過去の健診情報や薬剤情報が共有されるため、より適切な医療が受けやすくなります。
  3. 健康管理の向上:マイナポータルを通じて、自身の健康情報を簡単に確認でき、日常の健康管理に役立てられます。
  4. 高額医療費の立て替えが不要に:高額療養費制度の適用がスムーズに行えるため、一時的な大きな医療費の立て替えが不要になります。

後期高齢者医療制度の保険料目安

後期高齢者医療制度における保険料は、被保険者全員が均等に負担する「均等割額」と、前年の所得に基づいて計算される「所得割額」によって決まります。保険料は都道府県ごとに異なり、所得や居住地によって負担額が変わる点に留意が必要です。

たとえば、2024年度の全国平均では、被保険者均等割額が年間約5万389円、月額約4199円となっており、所得割率は10.21%です。この保険料は、2025年度にはさらに上昇することが予想されています。

特に、年金収入が195万円のモデルケースでは、2024年度の保険料は全国平均で月額5411円、2025年度には月額5673円に増加するとされています。地域によっては、この金額がさらに高くなる場合もあります。

まとめ

2024年12月に予定されているマイナンバーカードと健康保険証の一体化は、医療制度に大きな変革をもたらします。同時に、後期高齢者医療制度における自己負担割合や保険料の変動も注目すべき点です。特に、保険料の上昇は年金の手取り額に影響を与えるため、老後資金の準備がますます重要となるでしょう。

今後も医療制度や保険料の変動に注意し、早めの対策を講じることが求められます。現役世代の方々も、将来の備えとして、資産運用や年金の手取り額の減少を見据えた計画を立てる必要があるでしょう。