高校生が体験する『チーム医療』未来の医療従事者を育成する大学の取り組み

「チーム医療」とは、医療従事者がそれぞれの専門知識と技能を活かし、協力し合って患者の治療やケアを行う方法です。この取り組みは、患者の全体的な健康を支えるために非常に重要です。チーム医療では、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士などが連携し、それぞれの専門知識を持ち寄ります。これにより、患者に対する総合的なアプローチが可能となり、治療の質が向上します。

高校生が体験するチーム医療の実際

新潟医療福祉大学が主催するイベントでは、医療従事者を志望する高校生がチーム医療を実際に体験する機会が提供されました。このイベントでは、看護師や救急救命士、理学療法士など、20種類以上の医療専門職が紹介され、約140人の高校生が参加しました。

救急救命士の体験

救急救命士の体験では、高校生たちは電動担架を救急車に乗せる作業や、血圧測定器の使い方を学びました。これにより、救急救命士の業務に対する理解が深まり、責任感の重さを実感する機会となりました。参加した高校生は「救急救命士が行う医療行為が思った以上に多いと感じた」と話し、自身の大学選びにも影響を与える貴重な体験となりました。

チーム医療の実習

午後からのチーム医療の実習では、高校生たちは看護師や管理栄養士になった場合を想定し、示された症例について意見を交わしました。複数の医療スタッフが連携して患者のケアを行うプロセスを体験することで、医療の現場ではさまざまな職種が協力し合うことの重要性を学びました。

参加した高校生の一人は、「いろんな職種が組み合わさって医療が成り立っていると思った」と感想を述べ、チーム医療の意義を理解しました。また、他の高校生は「チーム医療でがんばると患者さんのメンタル面でも良い影響があると思った」と、患者の全体的な健康に与える効果についても言及しました。

チーム医療の重要性と未来

新潟医療福祉大学の藤井豊准教授は、「自分の目指す専門職だけでなく、他の職種も理解してチームで何かできるかを学んでほしい」と述べ、チーム医療を学ぶことの重要性を強調しました。藤井准教授はまた、「チーム医療を学ぶことで提供できる医療は格段に広がる」と述べ、高校生たちが将来の医療職として新潟のために活躍することを期待しています。

チーム医療は、患者中心のケアを実現するために不可欠です。各専門職が持つ知識と技術を最大限に活用し、患者の健康を総合的にサポートすることが求められます。このような教育プログラムを通じて、未来の医療従事者が育成されることは、地域医療の発展にとって非常に重要です。

まとめ

新潟医療福祉大学が主催するチーム医療体験イベントは、医療従事者を目指す高校生にとって非常に有意義な機会です。救急救命士や看護師などの職務を実際に体験し、複数の医療スタッフが連携するチーム医療の重要性を学びました。このような体験を通じて、高校生たちは将来の進路を考える上で貴重な経験を得ることができました。チーム医療の教育を推進することは、質の高い医療を提供するために欠かせない要素です。