全国的に流行する手足口病:感染拡大の現状と予防対策

手足や口に発疹ができる「手足口病」が全国的に広がっており、特に東北地方で急増しています。本記事では、手足口病の現状、症状、そして予防対策について詳しく解説します。

手足口病の現状:全国的な流行

手足口病は、主に幼い子どもが感染するウイルス性の感染症です。国立感染症研究所によると、2024年7月28日までの1週間に報告された全国の患者数は3万7428人であり、1医療機関あたりの患者数は11.93人と高い水準を保っています。特に三重県、長野県、静岡県、広島県などが多くの患者を抱えており、東北地方では青森県で前の週の2.1倍、宮城県で1.9倍に急増しています。

手足口病の症状と合併症のリスク

手足口病の主な症状は、手や足、口の中に発疹ができることです。発疹は痛みを伴うことが多く、特に口の中にできると飲食が困難になることがあります。また、まれに脳炎などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。今年の手足口病は、初期に発疹が現れないケースが多く、夏風邪と区別しにくいという特徴があります。

症状の詳細

  1. 発疹:手のひら、足の裏、口の中に小さな水疱ができる。
  2. 発熱:軽度から中程度の発熱が見られる。
  3. 喉の痛み:喉の痛みや口内炎が発生することがある。
  4. 食欲不振:痛みのため食欲が低下する。

合併症のリスク

  1. 脳炎:まれにウイルスが中枢神経系に影響を与え、脳炎を引き起こすことがある。
  2. 心筋炎:心臓に影響を及ぼし、心筋炎を引き起こすことがある。

予防対策:感染拡大を防ぐために

手足口病の感染を防ぐためには、以下の対策が重要です。

手洗いの徹底

手足口病のウイルスは、手や口を介して広がるため、こまめな手洗いが最も効果的な予防策です。特に外出後やトイレの後、食事前にはしっかりと手を洗うことが推奨されます。

消毒の実施

家庭内や保育施設では、子どもたちが触れるおもちゃや家具などの消毒を徹底しましょう。消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウムを使用することで、ウイルスの拡散を防ぐことができます。

体調管理

子どもが体調不良を訴えた場合は、早めに医療機関を受診し、手足口病の可能性がある場合は家庭内での隔離を行いましょう。また、発疹が出ている場合は、他の子どもたちとの接触を避けることが重要です。

医療機関の利用

発疹や高熱が見られた場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。特に重篤な症状が見られる場合は、専門医による迅速な対応が必要です。

まとめ

手足口病は全国的に流行しており、特に東北地方での感染者数の急増が懸念されています。幼い子どもたちが主に感染するため、予防対策を徹底し、早期の診断と適切な治療を心がけることが重要です。手洗いや消毒などの基本的な衛生対策を実施することで、感染拡大を防ぐことができます。家族や保育施設での協力が不可欠です。