オンライン服薬指導で被災者支援:ハンズファーマシーの新たな試み

富山・石川両県で展開するハンズファーマシーの取り組み

富山県堀川本郷に本社を置くハンズファーマシーは、石川県輪島市で避難生活を送る能登半島地震の被災者を対象に、オンラインでの服薬指導を開始しました。この取り組みは、避難所と富山県内の薬局をビデオ通話で結び、薬剤師が直接薬の飲み方を説明し、処方箋の手配を行うものです。

この新しいサービスは、デジタルサイネージ関連事業を手がけるサイバーステーションとの共同事業であり、同社の「デジサイントークコネクト」というビデオ通話サービスの試験版を活用しています。

11日時点で32人が避難する輪島市東陽中学校の体育館に被災者用のモニター1台を設置し、毎週火曜日から土曜日の午前8時から正午まで、ほりかわ薬局とつなぎ、複数の薬剤師が対応します。

簡単操作で高齢者にも優しいサービス

このオンライン服薬指導は、モニター画面上に表示された「服薬指導」のボタンを押すだけでビデオ通話に切り替わるため、操作が簡単です。

年代を問わず誰でも利用できるよう設計されており、特に高齢者にとっても安心して利用できる仕組みです。また、処方箋の依頼もモニターを通じて簡単に行うことができるため、被災者の薬の受け取りがスムーズに行えます。

ハンズファーマシーは、東陽中学校区内で薬局を運営していましたが、地震の影響で休業を余儀なくされました。そこで、サイバーステーションと協業し、オンラインで服薬指導ができる体制を整えたのです。これにより、店舗に行けなくなった顧客も安心して薬の相談や処方を受けることができます。

今後の展望と期待

ハンズファーマシーの林弘志社長は、「要望に応じて、他の避難所でもサービスを提供したい」と述べています。これは、被災者の生活を少しでも支援するための重要な取り組みであり、今後の展開に期待が寄せられます。

オンライン服薬指導の普及が進めば、災害時だけでなく、日常的にも高齢者や体調不良で外出が難しい方々にとって大きな助けとなるでしょう。

薬剤師として、このようなオンライン服薬指導の導入は、対面でのコミュニケーションに代わる新しい方法として注目すべきです。

技術の進化に伴い、薬剤師の役割も変わりつつありますが、患者との信頼関係を築くための努力は変わりません。オンラインでも丁寧な対応を心がけ、患者が安心して薬を服用できる環境を提供することが求められます。

まとめ

ハンズファーマシーが提供するオンライン服薬指導は、能登半島地震の被災者にとって大きな支援となるでしょう。

避難所と薬局をビデオ通話で結び、簡単な操作で利用できるこのサービスは、今後の災害対策や日常生活においても重要な役割を果たすことが期待されます。

薬剤師として、技術の進化に対応しつつ、患者との信頼関係を築くための新たな方法を模索し続けることが重要です。