医師の健康と地域医療が両立する制度の実現を目指して

令和3年度都道府県医師会医師の働き方改革担当理事連絡協議会が4月1日、日本医師会館小講堂で開催され、815名が視聴しました。この協議会では、医師の健康と地域医療が両立する制度の実現に向けてさまざまな議論が行われました。

医師の健康と地域医療が両立する制度の重要性

中川俊男会長は、医師の健康と働き方改革の重要性を強調しました。通常国会で上程された「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案」についても言及し、多くの医療関係者に制度の理解を浸透させる必要性を説明しました。

医師の健康管理や労働時間の改善は先延ばしにできない課題であり、医師の健康と地域医療が両立する制度の実現を目指して、国に対して必要な措置を強く働き掛けていく姿勢を示しました。

議事1:医師の働き方改革に関する議論の経緯

今村聡副会長は、医師の健康確保に関する日本医師会の取り組みを紹介しました。特に、医師の厳しい勤務環境を訴えたテレビコマーシャルや勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会の活動を振り返りました。時間外労働の上限規制についても詳しく説明し、医師の健康と働き方改革の重要性を強調しました。

議事2:地域医療介護総合確保基金

働き方改革を行うには財政支援が必要です。地域医療介護総合確保基金の対象事業として「勤務医の働き方改革の推進に関する事業」が新設され、医療機関の管理者の勤務環境改善等への取り組みを努力義務として明記した改正医療法が成立しました。医師の健康と地域医療が両立する制度の実現を目指すため、情報の周知と申請手続きの進行を呼び掛けました。

議事3:厚生労働省「医師の働き方改革の推進に関する検討会中間とりまとめ」

城守国斗常任理事は、医師の健康と地域医療が両立する制度の実現に向けて、厚生労働省の「医師の働き方改革の推進に関する検討会」の中間とりまとめについて詳しく説明しました。

この検討会では、時間外労働の上限規制の制度設計について議論されており、年間1860時間を上限とするA水準、B水準、C水準のフレームワークが取りまとめられました。さらに、審査組織や評価機能、各水準の指定と適用を受ける医師、追加的健康確保措置などについても検討されています。

時間外上限規制が施行される令和6年4月に向けて、医師の健康と働き方改革に取り組むための具体的なスケジュールが示されています。日本医師会としては、時短計画策定のための分かりやすいガイドラインを厚労省に求めていく姿勢を示しています。

このように、医師の健康と地域医療が両立する制度の実現に向けて、様々な議論と取り組みが行われています。医療現場の実態を踏まえつつ、慎重に進めていくことが重要です。