歯肉増殖症とは?
歯肉増殖症は、歯ぐきの組織が過剰に増大する病気です。通常、歯肉は歯を守るバリアとして重要な役割を果たしていますが、増殖してしまうと見た目や口腔内の健康に影響を及ぼすことがあります。
歯肉増殖症の原因
歯肉増殖症はいくつかの原因によって引き起こされます。
- 単純性歯肉増殖症:
- 歯肉の組織の増殖と血管の反応性の変化が合併して起こります。
- 口呼吸をよくする人が炎症性の反応を起こして、この状態になることがあります。
- 歯肉繊維腫症:
- 歯肉全体に起こる歯肉の肥大で、炎症とは関係なく発生します。
- 原因は不明で、乳幼児期など歯の生え始め、生え替わりの時期から発症する、非常に稀な病気です。
- 薬剤性歯肉増殖症:
- いくつかの種類の薬剤を服用している人に見られることがあります。
- 抗てんかん薬のフェニトイン、免疫抑制剤のシクロスポリン、カルシウム拮抗薬のニフェジピンなどが知られています。
薬剤性歯肉増殖症を引き起こす薬剤について詳しく
薬剤性歯肉増殖症は、薬の副作用で歯肉が増殖する(歯ぐきが腫れる)病気のことです。原因となる薬物には次のものがあります。
- フェニトイン: 抗てんかん薬で、長期服用すると約半数の人が歯肉増殖症を発症することがあります。
- ニフェジピン: 高血圧症に用いられるカルシウム拮抗剤です。
- シクロスポリン: 免疫抑制剤として使われ、臓器移植後の患者にも投与されます。
これらの薬物を服用している方は、歯肉増殖症に注意が必要です。
歯肉増殖症の治療法
歯肉増殖症の治療法にはいくつかの方法があります。以下にいくつかの一般的な治療法を示します。
- プラークコントロール: 歯肉増殖症の主な原因は歯周病菌による炎症です。プラーク(歯垢)を適切に除去することが重要です。歯磨き、フロス、マウスウォッシュを定期的に行いましょう。
- スケーリングとルートプレーニング: 歯科医師または歯科衛生士による専門的なクリーニングです。歯石やプラークを除去し、歯肉の健康を改善します。
- 歯肉切除術: 歯肉増殖が進行している場合、歯肉の一部を切除する手術が必要です。これにより本来の歯肉の形状を取り戻します。
- 薬物療法: 歯肉増殖症の原因となる薬剤を服用している場合、薬の見直しや変更が必要です。歯科医師と相談してください。
まとめ
歯肉増殖症について詳しく説明しました。治療法にはプラークコントロール、スケーリングとルートプレーニング、歯肉切除術、薬物療法があります。個々の症例により異なるため、歯科医師と相談して適切な治療法を選択しましょう。