九州大学の研究によって、奥歯のかみ合わせを失うと認知症のリスクが上がることが示唆されました。特に年齢を重ねた女性は、歯周病により奥歯を失いやすいということです。
奥歯と認知症の関連性
- 奥歯のかみ合わせが悪くなると、アルツハイマー型認知症の発症リスクが高まる可能性があります。
- 九州大学の研究では、奥歯のかみ合わせが全て揃っている人に比べ、歯が欠損してかみ合わせが一部失われた人は、認知症のリスクが1.34倍高く、全くかみ合わない人は1.54倍高いことが明らかになりました。
奥歯のかみ合わせと認知症リスクの理由
- 食事をする際、上下の奥歯をかみ合わせて食物を砕き、「食塊」という塊にして飲み込みやすくします。
- 奥歯が欠損してかみ合わせが不十分だと、軟らかい食事が主体となり、筋肉をつくる栄養素のタンパク質が不足します。
- タンパク質不足により筋肉が衰え、足腰が弱くなり、飲み込む力も低下。これが認知症リスクを高める要因となります。
歯周病と予防対策
- 歯周病が進行すると、認知症だけでなく心筋梗塞や動脈硬化の原因にもなります。
- 日々の口腔ケアを見直し、歯周病を予防しましょう。
- 特に女性は妊娠・出産・閉経のタイミングで歯周病になりやすいため、注意が必要です。
奥歯の健康を守るためには、日常的な口腔ケアと予防対策が重要です。具体的な習慣を紹介します。
歯磨きの基本
- 歯ブラシの選び方: 奥まで届く小さめのヘッドを選び、毛先が歯の表面や歯と歯の間、歯茎の境目に当たるように磨きましょう。
- 歯周ポケットがある場合: 毛先が細い筆のようなタフトブラシで優しく磨くこと。力を入れすぎないように注意しましょう。
歯磨き以外の予防対策
- 殺菌作用のある洗口剤で口をゆすぐ: 歯磨きのあとに洗口剤を使うことで、殺菌効果を高めます。
- 食事に注意: キャラメルやスナック菓子など、歯にくっつきやすい食品は控え、糖分が多い飲み物も就寝前に摂らないようにしましょう。
- 唾液の分泌を促す: よくかむことで唾液の分泌を促し、歯周病菌の繁殖を抑えます。
奥歯の欠損や歯周病の進行に対する対策
- 奥歯がなくなった場合: 入れ歯やインプラント治療を検討し、咀嚼力を保ちましょう。
- 歯周病が進行している場合: 早めに医師の指導のもと治療を受けることをおすすめします。
まとめ
すでに歯周病が進行して奥歯がグラグラしている、という人は、歯周病がそれ以上進行しないうちに、医師の指導のもと早めに治療をおすすめします。奥歯の健康を守るために、定期的な歯科受診と適切なケアを心がけましょう。