40代からの健康管理:健康診断で必ずチェックすべき4つの数値

年に一度の健康診断は、健康状態を把握するための重要な機会です。特に40代以上になると、生活習慣病や慢性疾患のリスクが高まり、定期的なチェックが欠かせません。しかし、忙しさに追われる現代人にとって、健診データを十分に確認する時間を確保するのは難しいかもしれません。この記事では、産業医の森勇磨氏のアドバイスに基づき、40代からの健康診断で特に注目すべき4つの数値について解説します。

健診データの基本:まずはこの4つをチェック

血圧

血圧は心臓血管系の健康状態を示す重要な指標です。特に「上の血圧」(収縮期血圧)が140を超えると、高血圧のリスクが高まります。高血圧は血管壁を傷つけ、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの深刻な疾患につながる可能性があります。血圧の管理は、日常生活の中で最も簡単に行える健康維持手段の一つです。

コレステロール値

コレステロールは、血液中の脂質の一種で、特にLDL(悪玉)コレステロールの管理が重要です。LDLコレステロールが高いと、血管にプラークが蓄積し、動脈が狭くなることで心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。基準値は140未満ですが、180を超えると薬物療法が必要となることが多いです。

血糖値

血糖値は糖尿病のリスクを示す重要な指標です。空腹時血糖値の基準値は60〜110ですが、より正確な評価にはHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を用います。HbA1cは過去1〜2か月間の平均血糖値を示し、5.7以上が糖尿病予備軍、6.5以上が糖尿病とされます。

尿酸値

尿酸値は、痛風や尿路結石のリスクを示します。特に7を超えると、痛風発症のリスクが高まり、腎疾患や生活習慣病のリスクも増加します。尿酸は身体の代謝産物であり、蓄積すると健康に悪影響を及ぼすため、定期的なチェックと管理が重要です。

数値の管理と改善方法

血圧管理のポイント

血圧の管理には、塩分の摂取を控えることが効果的です。加工食品や外食の多い現代の食生活では、知らず知らずのうちに塩分を多く摂取していることが多いです。自炊を増やし、味付けを薄くすることで、自然と塩分摂取を減らすことができます。また、適度な運動も血圧を下げる効果があります。特に有酸素運動は効果的で、週に数回、30分程度のウォーキングやジョギングを取り入れると良いでしょう。

コレステロール値の管理

コレステロール値の管理には、食事と運動が重要です。特にLDLコレステロールを下げるためには、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取を控え、代わりに不飽和脂肪酸を含む食品(魚、ナッツ、アボカドなど)を積極的に摂ることが推奨されます。また、食物繊維が豊富な野菜や果物、全粒穀物を多く摂ることもコレステロール値の改善に役立ちます。

血糖値の管理

血糖値の管理には、バランスの取れた食事と規則正しい生活が欠かせません。糖質の多い食品を控え、食事の際には野菜を先に食べることで血糖値の急上昇を防ぐことができます。また、適度な運動はインスリンの感受性を高め、血糖値のコントロールに効果的です。特に食後の軽い運動は、血糖値の上昇を抑えるのに効果があります。

尿酸値の管理

尿酸値の管理には、プリン体の摂取を控えることが基本です。ビールや内臓類、魚の干物など、プリン体を多く含む食品は避けるようにしましょう。また、適度な水分補給も尿酸の排出を促進するため、日常的に意識して水分を摂ることが重要です。特にアルコールは尿酸値を上昇させるため、摂取量を減らすことが推奨されます。

健康的な生活習慣の実践

運動習慣の改善

健康的な生活習慣を実践するためには、まず運動習慣を見直すことが重要です。デスクワークが中心の方は、意識して歩数を増やすことから始めましょう。例えば、通勤時に一駅手前で降りて歩く、昼休みに軽い散歩をするなど、日常生活の中で無理なく運動量を増やす工夫が必要です。

食生活の見直し

食生活の見直しには、まず「質」と「量」のバランスを考えることが重要です。食事の際には、たんぱく質、脂質、炭水化物のバランスを意識し、特に野菜や果物を多く摂ることを心がけましょう。また、食事の量を適切に管理するために、腹八分目を意識し、ゆっくりとよく噛んで食べる習慣をつけることが有効です。

ストレス管理

健康維持のためには、ストレス管理も欠かせません。ストレスは血圧や血糖値を上昇させる要因となり、長期的には健康に悪影響を及ぼします。日常生活の中でリラックスできる時間を作り、趣味や運動を通じてストレスを発散することが大切です。また、十分な睡眠を確保することで、身体の回復を促し、ストレスを軽減する効果があります。

まとめ

40代からの健康管理には、定期的な健康診断とその結果に基づく生活習慣の見直しが重要です。血圧、コレステロール値、血糖値、尿酸値の4つの数値に注目し、それぞれの管理と改善を意識することで、生活習慣病のリスクを低減し、健康な生活を維持することができます。忙しい日々の中でも、自分の健康を守るために、これらのポイントを押さえて行動しましょう。