山口県周南市の和田地区で、医療機関の不足に対応するため、高瀬郵便局で診療が開始されることが発表されました。郵便局での診療は国内初の試みであり、医療アクセスの向上に期待が寄せられています。
医療機関の不足と新たな取り組み
和田地区は、2016年に地元の長沼医院が閉院して以来、医療機関が不足していました。住民は自家用車で新南陽地区の病院まで通院しなければならず、高齢者にとっては大きな負担となっていました。こうした状況を改善するため、長沼医院の孫である長沼恵滋医師が高瀬郵便局での診療を担当することになりました。
対面診療とオンライン診療の組み合わせ
高瀬郵便局内の高齢者向け相談窓口の個室にオンライン診療用の機材が設置され、対面診療とオンライン診療が組み合わされます。対面診療は毎月第3火曜の午前9時から正午まで行われ、オンライン診療はそれ以外の火曜日に予約制で行われます。薬の処方もオンラインで行われ、服薬指導を受けた後、郵送で患者の自宅に届けられるため、通院の負担が大幅に軽減されます。
地域住民との信頼関係と期待
和田地区の住民数は約1037人で、本年度中に約50人の利用が見込まれています。藤井律子市長は、「長沼医師と郵便局の協力で実現してうれしい限り。和田地区の皆さんも長沼医師の祖父に世話になった人が多いので信頼関係が生まれている。オンライン診療を進めることで通院が楽になるのでは」と期待を述べています。
まとめ
高瀬郵便局での診療は、地域医療の新たな試みとして注目されています。対面診療とオンライン診療の組み合わせにより、医療機関が不足する地域でも質の高い医療サービスが提供されることが期待されます。この取り組みが成功すれば、他の地域にも広がり、全国的な医療アクセスの改善につながる可能性があります。