ホスピス型住宅と訪問看護の仕組み
ホスピス型住宅では、終末期の患者に対して訪問看護が提供されます。訪問看護には介護保険が適用される場合と、医療保険が適用される場合の二つのパターンがあります。
通常、高齢者に対する訪問看護は介護保険が適用されますが、難病や末期がんの患者には医療保険が適用されます。この場合、医療保険の診療報酬は高めに設定されています。
不正行為の具体例とその背景
一部のホスピス型住宅では、医療保険の診療報酬を過剰に得るために虚偽の記録を作成し、過剰な訪問看護を行っているとされています。
例えば、ある看護師の証言によれば、記録上では1日3回、30分ずつの訪問看護が行われているとされていますが、実際には5分で終わることもあり、複数人での訪問も一部の入居者に対してしか行われていないとのことです。
これは、厚生労働省の規定に基づき、1日複数回、複数人での訪問が可能で、その分報酬を受け取れるという構造的な問題が背景にあります。このような構造が不正行為を助長しやすい状況を作り出していると言えます。
医療財政への影響
過剰な訪問看護と虚偽の記録作成は、医療財政に大きな圧迫をもたらしています。医療保険の診療報酬は、高額であるため、不正な報酬請求が増えると、医療財政にとって大きな負担となります。これにより、真に必要な医療サービスが提供されるべきところに資金が行き渡らないという問題が生じています。
また、こうした不正行為は、医療制度全体への信頼を損ねる原因ともなります。患者やその家族は、医療サービスが適正に提供されているかどうかについて疑念を抱くことになります。これは、医療従事者全体の信用にも悪影響を及ぼしかねません。
まとめ
ホスピス型住宅における不正な訪問看護の問題は、医療財政に大きな影響を与えています。訪問看護の過剰実施や虚偽記録は、医療保険の財源を無駄にし、必要な医療サービスが提供されるべきところに資金が行き渡らない状況を生んでいます。
この問題を解決するためには、訪問看護の適正な実施と、監査体制の強化が求められます。医療従事者としては、患者のために正しい医療サービスを提供することが最優先であり、不正行為を見過ごさない姿勢が重要です。